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TANTO安全対策通信 Vol.3 Fri, 27 Dec 2002

 

川口 聖美

 

みなさん、こんにちは。タントスキークラブ安全対策担当者の川口です。 今週末はTANTO行事白馬岩岳ですね。2003年はもうすぐそこです。 さて、前回は道具の安全性のお話でしたが、今回はスキーヤーの身体の準備、 ストレッチングの重要性について考えてみようと思います。 しばしのおつきあいをお願いします。

 

 <身体の準備>

みなさんはスキーの前後にウオーミングアップとクールダウンをしますよね? そう、ほとんどの方がストレッチングを実行していると思います。

 

専門的にはストレッチングは3つに分類されます。

 

1:スタティック(静的):重力などによって、ゆっくりと筋を引き伸ばすもの
  (一般的にストレッチングといってるのはこれ)
2:バリスティックorダイナミック(動的):反動を用いてリズミカルに筋を引き伸ばすもの

  (ラジオ体操とかね)
3:PNF(他動的・受動的):リハビリテーションなどで使われる方法で、パートナーなどの補助を借りて、他動的に行うもの

 

私達が普段行っているスタティックストレッチングですが、まずその目的と効果 とは何でしょう?

ストレッチで柔軟な筋肉や関節をつくることによって、傷害を予防します。 スポーツ後に行えば、血行を促進し、筋肉痛や疲労回復に効果的です。 筋肉に弾力性を与え、関節の可動域を大きくするので運動能力が高まります。 中枢神経や脳の緊張もやわらげストレスをとり除くことを助けます。

では効果的なストレッチングのためにコツと注意点をおさらいしてみましょう。

 

*心のなかで数を数えながらストレッチ

筋肉を伸ばし、凝りをほぐすには、少なくても10~20秒その姿勢を維持する ことが必要と言われています。実験的には各筋肉を10秒間充分伸ばした状態 を4回行えば80%ストレッチが完成されているという報告があるそうです。

 

*呼吸を止めない

自然に息を吸い、ゆっくり息を吐きながらストレッチすると、筋肉の余計な 緊張がとれてリラックスし、筋肉が伸びやすくなります。伸ばしている筋肉 に意識を集中するとさらによいでしょう。そして息を止めないことが重要です。

 

*全身の筋肉を公平に伸ばす気持ちで

からだの筋肉は相互に関係しあっています。特定の筋肉だけを伸ばすのでは なく、全身の筋肉をまんべんなくストレッチすることが大切です。

 

*反動を使わず、ゆっくりと

はずみをつけて伸ばすと筋肉は伸張反射を起こし、引き戻されます。筋肉が 引っ張り合いになると損傷を起こしてしまいます。反動を使わずに、ゆっくり と筋肉を伸ばすように心がけましょう。

 

*痛みを感じるまで伸ばすのは禁物

痛みを感じるまで伸ばしてしまうと、筋肉は傷つき、ときには肉離れなどの 傷害にもつながります。気持ちがよいところで止めておくことが大切な ポイントです。

 

*表を伸ばしたら裏も伸ばす

人間の関節は、縮む筋肉と伸ばす筋肉の力が釣り合って正常に機能するように できています。両面の筋肉をかたよりなく伸ばすことが大切です。

 

*他人と柔軟性を競わず、体調にも注意

ストレッチは競技ではありません。生まれつきからだが硬い人もいれば、柔ら かい人もいます。また、体調のすぐれないときは無理せず休んでください。

 

*関節と筋肉の柔らかさを混合しない

関節の柔らかさと筋肉の柔らかさとを混合しがちですが、ストレッチングの 基本は、筋肉だけを伸ばして関節をいためないように行うことです。

 

*暖かい服装で

筋肉は寒いと萎縮してしまう特徴があります。気温の低い冬にストレッチング を行う場合は、できるだけ暖かい服装や温かい室内でやるといいでしょう。

 

というわけで、みなさーん!ゲレンデに出る前に充分なストレッチングをしましょう ね!

うーん、やっぱり長文。でも、いいおさらいになりましたよね。
では安全第一(^^)vゲレンデで笑顔でお会いしましょう。

 

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