2003バックカントリー研究レポート
バッカ研:
川口、三浦、浜田
1:立山(雄山他室堂周辺)
去年の妙高で、セキューラは重いのに懲りて、今回はバンディットにディアミールという、山スキーの定番で雄山に挑む、最終的な斜度はなんと45度!急登&酸欠で体力必要。シールの幅がバンディットより狭かったのと、ディアミールの限界?又は、単にテクニック不足か、ラスト50Mを残して、シールが剥がれたので、そこで断念。スノーシューの場合は板担ぐので、重い荷物は体力勝負となる。アルペンブーツでの歩きは結構つらい。山では登りで体力失うと滑りがぼろぼろになる。森林限界なのでトイレに困る。のに、室堂山荘に戻った時は暗くなっていた。。。 山小屋は大混みで寝るスペース確保も難しい。ただし、風呂は快適。 ガイドに、1級持ってればテレマークすぐうまくなるよと言われた。テレマークは軽そうだ。帰京後、テレマーク1式お買いあげ。
2:雪崩講習&山の安全対策講習
室堂周辺で安全講習。内容はビーコン、ゾンデ、ショベルの使い方と雪崩講習、山の安全対策等について、雪の上で座学&穴掘って弱層テストしたり、雪の下の発信専用ビーコンを5分以内に3個探す練習とか。。。 5分以内に掘り出さないと生存確率が下がり、15分でほぼ絶望的。
3:栂池~天狗原~蓮華温泉~木地屋(ツアー) 緩やかな登りで比較的楽。蓮華温泉は雪が多すぎてオープンしてなかったので、今回は残念ながら調査してない。本来2日間の予定を1日で走破。山では状況変更が多いのでやっぱり体力は必要だと実感。 狭い馬の背で右は雪庇とか、深い沢に落ち込んでる部分とか60度くらいの斜面トラバースとか、絶対こけたくないシーンが結構あった。 一番おいしいパウダー斜面では、視界が悪かったのが残念。しかも止まる時は木の下にとガイドに言われた。やはり雪崩の危険が。。。 北アルプスの景色はやっぱり最高。
4:八方(第一ケルン~八方池周辺)
ゲレンデ最上部から登りはじめる。雪がしまっていればつぼ足でも登れる。さえぎるものがないので、風が強い。当然トイレは我慢。 見えてる範囲で安全な斜面を選んで滑走。距離はあまり楽しめない。 登って滑っての繰り返しで、最後はゲレンデを滑って降りる。 今回テレマークで二つ格言をゲット。 (1)テレマーカーは転ぶのは当たり前 (2)後ろ足に7割乗らないと、5分5分には乗れない 山スキーは、楽しいけど危険。自己責任の意味を正しく理解すると共に、 斜面の力学的な状況をイメージし、自分の両肩に乗ってるものと引き替えにできないときは潔く引き返す。
5:神楽(神楽ヶ峰~中尾根)
和田小屋に一泊する山スキー講習会に参加。山スキーでの定番、ディアミール(と板)を購入するお金がなかったのでアルパイントレッカーとシールを準備。 雪面は柔らかくシールがよく効き登りは楽しい!今は使われていないリフトの降り場からちょっとだけ登って、北斜面の林間コースを滑り降りる。ノートラックの斜面で。日が当っていないためふかふか雪で気持ち良い! 翌日は神楽ヶ峰手前をかすめて中尾根まで足を伸ばし、再び北斜面の林間に入る。今日もまたノートラックの斜面をおいしくいただく。 泊まった和田小屋は男女別に二つのお風呂があり、暖かく快適、しかも生ビール&ビールの自販機もあり、とても山小屋とは思えない設備だ。
6:富士山(五合目~)
神楽は楽しかった。しかし富士山はつらかった。つらかったよー(涙)。 雪面は固く斜度は急だ。雪が柔らかければシールが良く効くが、固い斜面ではそうもいかない。そして斜度が急になるとアルパイントレッカーの固定の甘さが登りを難しくしてしまう。無駄な力を使い体力を消耗。 途中で休憩をはさみながら約4時間かけて2300m付近から2750m付近まで上り、さあ、滑走。しかし、登りで体力を消耗しきってぼろぼろだ。下まで降りてきて登山道を帰る時は、体力と気力を振り絞り何とか歩き通す。何度、板や荷物を放り捨てようと考えたことか。今回は登りの時点で完敗した。体力と用具を調え直して、来シーズン再挑戦だ。
7:八幡平(茶臼岳)
八幡平スキー場はシーズン中一度もコースを圧雪しない。ここはバックカントリーで有名なので、通常ゲレンデ内にはほとんど人はいない。みんな山に入ってしまっている。八幡平スキー場最上部まではリフトで上がり、そこから茶臼岳へ登頂。足下がしまり雪ならつぼ足でも登れるけど、シールかスノーシューがあったほうが楽。 山頂手前には避難小屋があって、このあたりで休憩が景色もよくておすすめ。小屋には一応トイレがある。まあ壁があるだけましって程度だ。 そこから山頂まではもうすぐ。ここの登りは体力いらない。今回は残念 ながらパウダーには会えなかった。結構な斜度のトラバースで3人程滑落。。。まあ、そんなに危険な場所じゃなかった。 おそらくパウダーならかなりおいしい一枚バーンも今回はただの不整地 。。。半日ではあまるかなあというコース。 パウダーに大当たりの日は朝からリフトに並ばないと、おいしくいただけない。まずコースを全部食い尽くしてから山に入るのがパターンみたい。パウダー雪質は八甲田に負けない。。。らしい。。。
8:八甲田(銅像・温泉・中央・フィレスト周辺・懺悔・帚場岱ルート)
ここはバックカントリー入門として一番のおすすめ。登りがほとんどない。のに下りはロングコース。景色は最高。パウダーからツリーランまでバラエティ豊かに楽しめる。ガイドさんが参加者のレベルにあわせて、 アレンジしてくれるので、まかせて安心。そして、充分楽しませてくれる。通常コースのフォレストとダイレクトも新雪ならかなりおいしい。 銅像・温泉・フォレスト周辺・中央・懺悔コース(←某プロスキーヤーが勝手に名前をつけた)は半日コース。帚場岱コースは一日のロングコースだ。帚場岱ロングコースでは登りの道具が必要。かかとの上がるビンディングとシールもしくはスノーシュー。田茂やち岳山頂から井戸岳と大岳の間にむかって登り始める。そこまで登ると、避難小屋があって、 休憩にもってこい。きれいなトイレもある。この小屋、外観は雪で覆われて小屋の形をしてない。。。
9:奥志賀~竜王(ツアー・奥志賀高原周辺)
奥志賀高原スキー場から北志賀竜王スキー場へのツアーコース。ゲレンデ山頂から少し登ったところがツアーコースの入り口。少し行くと視界が開け竜王山が見える。そして雪に埋まった鳥居がベンチに見える。コースの案内は細かく、経験があれば比較的安全に山に入れる。それだけに滑りはいまいちかな。奥志賀と竜王の間で登っては滑り、登っては滑りって感じ。竜王まで抜けたら、ゲレンデコースを降りる。 奥志賀高原スキー場周辺は入り口はツアーコースと同じくリフト最上部から出発。竜王にむかって右へ下り、山をぐるっとまいて、ゴンドラがある側とは反対のゲレンデへ出る。山スキーは滑りが気持ち良くって、 もうちょっとと思っても、そこで止まる勇気が必要。滑り降りるのは快適でも登るのは容易じゃない。時間も体力も充分に必要となるのを忘れてはいけない。
10:大雪山旭岳
今回はゲレンデコースのみ体験。それでも1コースが3km~4kmとロング。ロープウェイ山頂駅から旭岳を見上げると、ガスが数カ所から吹き出ているのが見える。そのあたりまでは展望台もあり行けるが、楽しめる斜度でもない。 コース脇はおそらくパウダーシーズンはかなりおいしいだろうけど、やはり経験あるガイドを探したい。 麓ではクロスカントリーやスノーシューハイキングも楽しめる。近くの白樺荘ユースホステルは温泉だし、リーズナブルでおすすめ。運が良ければログハウス貸し切りも。。。